ポケカの「空撃ち」って面白くないですか?

はじめてポケカを遊んだ

 先日、ちょっと昔のデッキを借りてはじめてポケカを遊んだ。普段は遊戯王をやっていて昔はデュエマもしていたんだけど、ポケカはおおまかなルールだけ知っていた。ポケカは1ターンでサーチもドローもガンガンできるけど、妨害がないから新鮮で楽しいぜ。でも、はじめて遊ぶゲームだから、当然知らないルールも出てくる。

 

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友「ハイパーボールを発動。ポケモンをサーチする効果だけどサーチしません。」

私「え?デッキにポケモンないの?」

「いや、いるけどサーチしない。」

「そんなことできんの!?」

概要

 改めましてこんにちは、hashi210(ハシブト)です。みんな、空撃ちしてるかな?私は遊戯王ばっかりやってるから空撃ちしてないよ。この記事は各TCG(デュエマ、遊戯王ポケカ)の「空撃ち」を比較して、カードゲームのルールっておもしろ~って思う記事です。

 

空撃ちとは?

 簡単に言うと、空撃ちとは使っても無意味な状況でカードを使うこと。例えば、「場にカードがないのに場のカードを除去するカードを使う」とか、「サーチ先がデッキにないのにサーチカードを使う」とかが空撃ちに当たる。なぜこんなことをするのかというと、場合によっては手札を減らしたかったり、カードを使うことそのものが重要だったりする局面があるからだ。こういう細かいテクニックが勝敗を分けたり分けなかったりする。

 

デュエマの場合

 で、空撃ちが認められているゲームとそうでないゲームがある。デュエル・マスターズでは「空撃ちができる」。例えば、《デーモン・ハンド》は「相手のバトルゾーンのクリーチャー1体を破壊する」カードだが、相手のバトルゾーンにクリーチャーがいなくても、《デーモン・ハンド》は空撃ちできる。ただし、「カードの効果は可能な限り適用する」。相手のバトルゾーンにクリーチャーが1体でも存在する場合、《デーモン・ハンド》を発動したのにもかかわらず、クリーチャーを破壊しないことはできない。

 

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 また、デュエマではゲーム開始時にデッキの上から5枚を、確認せずに裏向きでシールドとして置く。だから、デッキからカードをサーチしようとしたが、シールドにサーチしたいカードがすべて埋まっている(いわゆる「盾落ち」)という状況がありえる。こうしたサーチ効果の不発も、空撃ちできるルールなので問題なく処理できる。

 

遊戯王の場合

 だが、遊戯王OCGでは「空撃ちができない」。相手モンスターをすべて破壊する《サンダー・ボルト》は、相手モンスターが存在しなければそもそも発動できない。

 

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 サーチに関してもそうで、サーチ先がいなければサーチカードを発動してはならない。つまり、「プレイヤーはデッキの内容と、自分のカードがどこにあるかをすべて把握している」という前提がある。遊戯王にはデュエマのシールドのように、自分のカードがどこにあるのか不明といった状況が起こりえないので、そういうルールになっていると思われる。だから、「数えてないけどまぁ多分まだあるやろwww」っていいながらデッキに一枚もないカードをサーチしようとすると、無意味な行動をしたプレイミスではなくて、してはならない行動をしたルールミスになってしまうのだ。

 

 ・・・これ、現在ではそうというだけで、昔は空撃ちができたらしいし、裏側で除外された自分のカードを確認できない時期もあった。だから、遊戯王というゲームが常に空撃ちを許さず、常に自分のカードの所在を把握できるゲームだったわけではないのだが、現在ではそうなっている。

 

 それと、遊戯王でも「カードの効果は可能な限り処理する」。遊戯王にはチェーンという概念があるので、発動時では空撃ちではなかったが、効果処理時には発動条件を満たさない場合があるのだが、それは単に不発となって処理される。

 

ポケカの場合

 さて、本題のポケモンカードゲームである。ポケカにはデュエマのシールドと同じようにサイドが存在するため、自分のカードがどこにあるか、常にすべてを把握することはできない。だから、冒頭のやり取りのように「空撃ちできる」。そして、どうやらサーチ対象があるにもかかわらずサーチしなくてもよいらしいので、「カードの効果を可能な限り処理しなくてもよい」ということらしい。結構ファジーな処理だから初心者でも簡単に覚えられるようになってるんだなぁ・・・とか思っていたら全く違った!

 

 結論を言うと、ポケカでは原則として「空撃ちできない」し、「カードの効果は可能な限り処理する」。じゃあなんでサーチの空撃ちができるのかというと、どうやらデッキなどの非公開領域のカードを参照する場合は空撃ちできないっぽい。多分、同様にデッキからサーチするカードなどは、使ってからサーチしないことも選べるのだろう。これで解決だな!

 

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ただし好きなカードを選ぶように指示された場合は、必ず指定された枚数を選ばなければいけません。

 

ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト 上級エキスパートルール』より引用

なんで????????????????

 

 なんだそのルール。全然わからない。非公開領域を参照するカードは許されてるんじゃないの?どうなっとるんや!!!!

 

 まぁ別に全然怒っていない。なぜなら全く理不尽でないから。どうやらポケカの主張としては「空撃ちできない」し、「カードの効果は可能な限り処理する」。ただし、「お互いにとって(つまり相手にとって)空撃ちか分からない場合は空撃ちできる」「お互いにとってカードの効果が処理可能かわからない場合は処理しなくてもよい」ということらしい。おもしれー!まぁ、これはルールブックに書かれているとかではなく、ルールを鑑みて私がそう解釈しているだけだけど。

 

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 《ツールスクラッパー》は「ポケモンのどうぐ」が存在しないと発動できない。これは発動しても無意味なことがお互いに分かっているからだ。また、「ポケモンのどうぐ」は必ず1枚か2枚を選んでトラッシュする必要があって、0枚、つまりトラッシュしないことは選べない。これは、カードの効果は可能な限り処理するし、それが可能なことはお互いに分かっているからだ。

 

 でも、自分のデッキの中にポケモンが何枚入っているかは相手には分からない。だから、《ハイパーボール》はデッキにポケモンがなくても発動できるし、あったとしてもサーチしなくてもいい。だが、好きなカード、つまり任意のカードをサーチできるカードの場合は、内容が分からなくてもデッキにカードが存在するということはお互いに分かっているから、発動したらサーチしないといけない。多分そういう解釈なんだと思う。

 

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おわり

 いかがだっただろうか。私もカードゲームのルールを完璧に把握しているわけではないし、特にポケカに関しては怪しい点が多いので間違ってたら指摘してほしい。もっとも、この記事でその類のミスは致命的なような気もするが(なお、致命的なミスがあったので追記しています)。

 

 カードゲームのルールは一見すると難解で、揶揄される場合も多いのだが、実は主張自体は筋が通っている場合がほとんどだ。まぁルール自体が難解なのは否定できないし、突然ルールが変わることや、特殊裁定とかもあるんだけど。こうしたルールを理解するとゲームの理解度と面白さが増すのでぜひやってみてくれよな。ルールを守って楽しくデュエルするためにルールを理解!

 

追記

 公開直後に指摘してもらったので追記。どうやらデュエマもポケカと同じように非公開領域から条件付きでカードを選ぶ場合は、選ばなくてもよいらしい。ついでに言うと、MTGも同じ。開発が同じなのでデュエマとMTGは同じ処理をしててほしいですね。これ、ポケカじゃなくて遊戯王が特殊なんでは?

 

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 うーん、とりあえず合っていると信じます。またミスがあったら教えてくれ!(その場合、記事が成立していなさそう)